忘れっぽいもので。

忘れっぽいもので。自分の記憶に留めたいことの日記です。

木彫家さんの工房で、バビーンっと刺激を受けたハナシ。

どうも、アベです。

兵庫に流れ着いて早2ヶ月。

こっちに着いた頃はセミたちが童貞のまま死んでなるものかと鳴き狂っていたけど、気づけばすっかり朝夕冷え込む季節となりました。

 

今生活してるところが山の中だからなのか、夜になると網戸にはビッシリとカメムシが。

部屋の灯りを目指してやってくるカメムシたちがそれはもうビッシリと。

 

スキを見せようものならカメムシ御一行様のアベ部屋観光ツアーが催されてしまうので、おちおち窓も開けれないような快適な毎日を過ごしております。

 

先日、神戸から家具職人の大島亮くんがやって来ました。会うのは専門学校卒業以来5年振り。

 

向上心の塊、歩く向上心のような男の亮くんは、豊岡市で木彫家として活動されている美藤圭さんの工房へお邪魔するアポを握りしめてやって来ました。

 

定食屋でうどんをすすりながら思い出話やお互いの近況報告に花を咲かせた後、美藤さんの工房へお邪魔する時間が近づいて来たので、亮くんのバイクに乗せてもらい工房へ向かうことに。

 

アベ、人生初のバイ2ケツ

 

正直、後部座席の僕は亮くんに抱きつくんか⁉︎

 

工業高校で青春時代をゴリゴリの坊主達に囲まれて過ごした僕が、どこかに置き忘れて来た青春体験をここで体験するんか⁉︎

 

いやいや、男は運転する側でしょうが⁉︎

 

というかどっちも男やないか〜い⁉︎

 

なんてひとりでひっそりと心の中で騒いでましたが、ちゃんと持つとこがあるのねバイクって〜。

 

快適やねバイクって〜。

 

というか手を離してても全然大丈夫なんやねバイクって〜。

 

写真だって取っちゃうぜ〜。

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なんてことをひとりでやっていたら

美藤さんの工房へ到着。

 

 

工房は美藤さんのご実家の横に建てられていた農業倉庫を、ご自身と親父さんとで改装したという広くてキレイなスペースでした。

 

「親父が鉄鋼所で働いてるから、自分たちで鉄骨建てて改装したんだよね〜(笑)やれちゃうもんだよ〜(笑)」と挨拶と一緒にさらりと飛び出すボクのDIYのイメージを簡単に飛び越えてくる一言。

 

鉄骨ってそんなサクッと建てれるんか。

  

お互いに自己紹介を済ませた後、溝にハマった軽トラを助けたお礼にもらったという柿を頬張りながら、お仕事の話や作品の紹介などをして頂くことに。

 

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 (左:美藤さん  右:亮くん)

 

18歳の頃に「モノづくりで飯を食いたい」と思って、飛騨にある学校で家具のデザインや設計を学んでいた美藤さん。

 

卒業後は設計事務所や家具工房なんかで仕事をした後、家具作り以外のモノづくりをしてみたいと思い立ち、実家のある豊岡へ戻って作家人生をスタート。

 

現在は木を彫って、ほっこり感のある人物や動物なんかを中心に作品作りに励んでいらっしゃいます。家具づくりは今も続けているとのことで、工房には家具の試作品もたくさん置いてありました。

 

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(豊岡のKAMINO COFFEEさんの開店記念に作ったという看板クマ。か、かわいい!)

 

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(工房にいた作品達。会話中も心の中でずっと「私がデンワマンだ!フハハ」と呟いて遊んでいたのは内緒です。かっこいいぜデンワマン。)(※デンワマンはアベが心の中で勝手に命名。)

 

材料となる木材の種類の話で亮くんと美藤さんが盛り上がっている時、僕はデンワマンとの会話で静かに盛り上がっていましたが、使う材料で作品の質感が全然違ったりしてくるのは、当たり前かもしれないけどおもろいなぁと思いました。

 

今までは作品のカタチなんかを見て、かっこいいとか判断してたけど、背景というか、こだわり部分に注目してみると全然違う見え方とか楽しみ方ができるなーと。視点の幅がぐーっと広がるな〜と。同じものでも、他の人には違う見え方で見えてるんだな〜と。

 

その後も仕事のこととかまったりとお話をしていると、美藤さんが、

「みんながスルーしてるささいな『スキマ』に気づけると、きっとそれが新しい仕事づくりにつながるよね」

 

!!

 

仕事の話をしている時に何気なく美藤さんから出た一言。

 

「ネットとか色々便利になったけど、みんなが意識的でも無意識でもスルーしてる不便というかモヤっとしてるとこに気づけたら、そこに何か生まれるきっかけって絶対あるよね〜」

!!!

さら〜っと言った美藤さんの一言が

モノづくりに飽きたというか、お腹いっぱいになっちゃって、なんかもうデザインはいいかなぁ〜なんて思っちゃって、一回デザインから離れてみようとフラフラしていたアベの心の奥の方に渾身の一撃!

おぉ〜!

その考え方!それやんソレソレ!

その場でメモするくらい、ズバシっ!と刺さったわ。

デザインはまさにこの考えでする仕事やったわ!

前の会社では、ありがたいことにポスターやら看板やら色々と作らせてもらってたけど、忙しさを言い訳にして、必要最低限の内容で体良くまとめて、毎回なんとか乗り切ったわ〜みたいな仕事の仕方をしてしまってて、気づいたらそのサイクルが染み付いてしまってた。

 

なんか、これでいいんかな〜。

営業さんから仕事の指示きて、それに乗っかってモノ作って、でもそれが仕事の流れだよな〜。

現実こんな感じなんかね〜、うーん。

みたいなモヤモヤをずーっと抱えてだけど、スパコーンとモヤモヤ弾き飛ばされたわ。 

 

デザイナーとして一番大事なことを忘れとったわい!

デザイナーの価値ってそこやん!

ただパソコンでポチポチと収まりののいいものを作るのがデザイナーじゃないやん!

 

いかに伝えたいこととか、モヤっとすることをモノづくりで解消してあげられるかやん!

 

アベの視点とかカタチ作るセンスで勝負することが、デザイナーとして存在価値を示すことやし、自分が精進するための道やんけ!

 

今までなにしとったんや!このオタンコナス!

このすっとこどっこい!

 

いやぁ〜、目からウロコ、耳からウロコでした。

モノづくりしとる人からは、いやいや、そこは当たり前でしょ、ってポイントかもしれんけど完全に忘れてたわ。

 

使う人のためにこだわることを忘れてたわ。

 フォントとか色味とか、自分の好きな収まりに持っていくためにばっかこだわってたわ!

 

もう気づいたら、ひとりフガフガと興奮してました。

 きっと美藤さんも亮くんもデンワマンも、突然テンション上がりだしてメモ取り出したんで、このヒゲどうしたんやろ?って思ったやろな。

 

しかし大事なことに思い出したわ〜。

亮くんのオマケで美藤さんのとこにお邪魔させてもらってよかった〜。

美藤さんがオマケも迎え入れてくれるいい人でよかったよ〜。

 

 

 

そんないい人美藤さんが、現在東京で個展開催中!

 

 

浅草 ・雷門の近くにある小さなギャラリーGalerie NUAGE(ギャルリ・ニュアージュ)にて。

美藤 圭 個展
「 めぐるぐる 」
Kei Bito Exhibition
2016年10月21日(金)〜11月3日(木・祝)12:00-19:00
作家在廊日/21.22.23.24日
休廊日/26日(水)

 

作品も可愛くてほっこりする子や、マンガみたいな面白い子もいて見てて楽しい気分になってきます!美藤さんもおもろい人なので、東京方面に行くタイミングの人は是非足を運んで見て下さい!

 

美藤さん、今回はお邪魔しましたー!

また遊びにいきまーす!

 

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(記念撮影に対して強いこだわりを見せる亮くんと従う美藤さん)

 

 

素敵な出会いに感謝!

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facebookから写真もらっちゃいました〜)